本記事では自社の採用活動のボトルネックを分析したい企業向けに、採用活動の分析のポイントを解説いたします。また、記事の最後では人事データ分析ツールHuman & Humanについてもご紹介しています。詳しく知りたい方は以下をご覧ください。機能導入事例資料請求サービス説明・デモ依頼採用分析とは採用分析の概要採用分析とは、採用に関わるデータを収集・分析し、採用の質と効率を改善する取り組みです。採用分析が注目される背景企業の採用活動自体は昔から行われていますが、採用分析が注目されるようになった背景は以下の通りです。少子高齢化により採用競争が激化し、効率的な採用が求められている。採用媒体やエージェントフィーが高騰し、費用対効果の可視化が必要になっている。人的資本経営やHRテックの普及により、感覚や勘に頼った採用からデータ活用型採用へ移行している。採用分析で扱うデータここでは採用分析でよく使われるデータをいくつかご紹介いたします。データカテゴリデータの概要具体的な項目例応募経路データ応募者がどの経路(求人媒体・紹介・イベントなど)を通じて応募したかを示すデータ求人媒体名、エージェント名、リファラル(社員紹介)有無、オウンドメディア経由、採用イベント参加履歴、SNS経由など応募者属性データ応募者の基本情報や経歴・スキルを把握するためのデータ年齢、性別、居住地、学歴、専攻、職務経歴、スキルセット、前職の業種・職種、希望職種、志望動機など選考プロセスデータ書類選考から内定までの進捗や通過率、辞退率などを示すデータ書類通過率、面接通過率、辞退率、内定承諾率、選考期間(日数)、面接官評価コメント、コンピテンシー評価スコアなど採用コストデータ採用活動にかかるコストを可視化するデータ媒体掲載費、エージェント紹介手数料、採用担当者・面接官の人件費、ATS利用料、イベント出展費、採用広報費など入社後データ入社後の定着・活躍状況を追跡するデータ入社後定着率(3か月・6か月・1年)、離職率、試用期間通過率、オンボーディング完了率、パフォーマンス評価スコア、昇進・昇格スピードなど採用分析の手法ここでは採用分析でよく使われる手法をいくつかご紹介いたします。分析対象目的対象データ応募経路の分析効果的な採用チャネルを見極め、予算や工数の配分を最適化する求人媒体、エージェント、リファラル採用、SNSなど応募チャネルごとの応募数・内定数・定着率応募者属性の分析自社で活躍しやすい人材の特徴を把握し、ターゲットを明確化する年齢、学歴、職務経験、スキルセットなどの応募者プロフィール選考プロセスの分析どこで候補者が離脱しているかを明らかにし、選考フローの改善や面接官教育につなげる書類通過率、面接通過率、辞退率、面接官評価など採用コストの分析採用単価(Cost per Hire)を把握し、費用対効果の高い採用を実現する媒体費用、紹介手数料、リファラル報奨金、採用担当者の工数など入社後データの分析採用の「質」を測定し、短期的な人数確保だけでなく、中長期的に活躍する人材を採用できているかを検証する定着率、早期離職率、パフォーマンス評価、昇進スピードなどなお、これらの手法をかけあわせることもできます。例えば、チャネルごとに選考の歩留まりを調べたい場合、応募経路と選考プロセスの分析をかけあわせて行います。採用活動のボトルネックの分析既に自社の採用活動のボトルネックが明確になっている場合は、以上の手法の中から適切なものを選択します。もしボトルネックを明確にできていない場合、以下の手法で分析を進めることをおすすめします。分析手法内容1. 選考プロセスの分析まずは書類通過率・面接通過率・辞退率をステップごとに可視化し、通過率が極端に低いステップを明確にする。2. 応募経路の分析1で応募数自体が少ない、または応募数は多いが通過率が極端に低い場合は、どのチャネルに課題があるかを分析する。3. 応募者属性の分析ターゲットと応募者のズレや、どのような人が選考通過しやすいかを調べる。4. 採用コストの分析プロセス・チャネル・属性の課題が整理された段階で、 どこにコストをかけるべきかを判断する。5. 入社後データの分析1〜4で採用全体の分析が完了した後、入社後データとの分析を行う。採用分析でよくある課題ATSで分析ができない一般的に、企業が複数のチャネルで採用活動をしていると候補者や選考データが各チャネルに分散してしまうので、ATS(採用管理システム)を使って各チャネルのデータを一元管理します。ところが、ATSはあくまで採用管理に特化したツールであり分析機能は強くないため、細かい分析などに対応できないことがあります。その場合、ATSからデータをExcelなどにエクスポートし、Excelで分析することが多くなります。入社後データの分析が難しいATSの管理対象となるデータは候補者の入社までであり、入社後のデータは別システムで管理されています。例えば、社員のパフォーマンスを測る売上や労働生産性は人事労務システム、エンゲージメントスコアはサーベイツールで管理されています。採用データと入社後データの相関分析を行うためには、ATSや他の人事システムからデータをダウンロードするExcelで各データを突合するExcel上で集計やグラフ化を行うという工程を踏むことが多くなります。この1・2の作業を「前処理」などと呼びますが、データの種類や件数が増えるほど前処理の手間も大きくなります(一般的に、データ分析では8割の時間が前処理に費やされるとも言われています)。上記を踏まえて、採用分析ではExcelを脱却し、分析ツールを導入することをおすすめします。分析ツールを早めに導入すべき理由採用分析に限らず、人事や組織開発の業務は「重要度は高いが緊急度が低い」ものが多いため、課題を感じながらもExcel運用を続けている企業が多いのですが、なるべく早めの導入をおすすめします。その理由は以下の通りです。組織の機会損失の防止Excelでの分析を長く続けるとExcelが複雑化し(膨大な関数やタブ・データの繋ぎこみなど)、「Excelを扱える人事が少ない」「Excelでの集計に時間がかかる」などの課題が発生します。人事の多くの時間がExcelに割かれてしまい、組織の活性化やパフォーマンス向上などに時間を割けなくなってしまいます。組織の機会損失を防ぐためには、今問題になっていないとしても、早めにExcelを脱却してツールを導入することが重要です。他社に対する競争力拡大以前はLINEヤフーなどのITベンチャー企業を中心に分析ツール活用が進んでいましたが、最近では様々な業界の大手企業でも活用が進んでいます。企業名業種パナソニック製造日本たばこ産業たばこmixiITキリンホールディングス食品大成建設建設ハウスメイト不動産※出典記事は企業名のリンク先を参照同業他社が既に分析ツールを導入している場合は他社に乗り遅れないように、まだの場合は他社に差をつけるべく、早めに分析ツールを導入しましょう。分析ツールの違いBIツールとタレントマネジメントシステムの違い人事データの分析ツールとして有名なのはBIツールとタレントマネジメントシステムですが、両者には以下のような違いがあります。メリットデメリットBIツール色々な分析に対応できる人事業務を行うことができないタレントマネジメントシステム1つのツール上で分析から人事業務まで完結できる分析機能に制約が多いそれぞれメリット、デメリットがありますが、分析をメインで行いたい場合はBIツールをおすすめします。※BIツール、タレントマネジメントシステムの解説記事もご覧ください。BIツールの比較汎用型と人事特化型BIツールには色々な種類がありますが、人事データを分析する上では「汎用型」「人事特化型」の違いが重要です。汎用型とは人事データ以外(営業、マーケティングなど)の分析用途にも使えるBIツールであり、人事特化型とは人事データの分析に特化したBIツールです。汎用型と人事特化型の違いを以下にまとめました。汎用型人事特化型設計コスト大小データの前処理コスト大小学習コスト大小柔軟な権限管理難易様々なコストが小さく済むことから、エンゲージメント分析を行うためには人事特化型のBIツールを使うことをおすすめします。※汎用型・人事特化型について詳しく知りたい方は、人事データ分析におすすめのBIツールをご覧ください。Human & Humanここからはクラウドワークスで開発している人事特化型BIツールのHuman & Humanをご紹介させていただきます。Human & Humanの特徴は以下の通りです。設計コスト人事でよく使う色々なデータベースや計算式がデフォルトで用意されている。データの前処理コスト他の多くの人事システムとAPI連携している他、データクレンジングのサポートも用意。権限管理部署・職種・役職に合わせて各データの閲覧・編集権限を管理できる。学習コスト1クリックでデータのかけあわせができるので、データ分析に詳しくない人事でも簡単に操作可能相関分析散布図やヒートマップを使って簡単に分析できる。Human & Humanについて詳しく知りたい方は、機能や導入事例をご覧いただくか、以下よりお問い合わせお願いいたします。おすすめの記事人事データ分析について知りたい方は、タグ:人事データ分析のポイントをご覧ください。人事に関するシステムやツールについて知りたい方は、タグ:人事システム・ツールをご覧ください。