本記事では社員の定着や離職防止に悩む人事の方向けに、モチベーションの測り方について解説いたします。また、記事の最後では人事データ分析ツールHuman & Humanについてもご紹介しています。詳しく知りたい方は以下をご覧ください。機能導入事例資料請求サービス説明・デモ依頼モチベーションとはモチベーションの概要モチベーションとは、何らかの目標に向けて人間が行動するための動機付け、やる気を指します。元々、人間の生産性を向上させるには外部環境だけでなく内面的要素も重要であることがホーソン実験(20世紀初頭にアメリカの工場で行われた実験)で判明し、モチベーションなどが注目されるようになりました。モチベーションについては様々な研究が存在しますが、有名なものをいくつかご紹介いたします。研究名概要マズローの欲求5段階説人間の欲求は生理→安全→所属→承認→自己実現の順に満たされる。低次が満たされると高次を求める。ハーズバーグの動機づけ・衛生理論動機づけ要因(やりがい・成長)は満たされると満足に、衛生要因(給与・環境)は欠如すると不満に。マグレガーのX理論・Y理論人間像を「怠け者(X)」と「自律的(Y)」の2つの仮説で説明。Y理論的マネジメントの方が動機づけにつながる。マクレランドの欲求理論人の動機は「達成欲求」「権力欲求」「親和欲求」の強さで説明される。デシ&ライアンの自己決定理論(SDT)内発的動機づけは「自律性・有能感・関係性」の3要素で高まり、外的報酬は場合によって内発性を弱めることがある。研究によって違いはありますが、ビジネスでは概ね「会社や仕事に対する社員のやる気」として語られます。モチベーションの測り方モチベーションを測る方法はいくつかありますが、ここでは主要なものを3つご紹介いたします。エンゲージメントサーベイ昨今では離職防止のためにエンゲージメントサーベイを行う企業が増えていますが、それをモチベーションの調査に活用する方法です。サーベイの設問のうち、「上司との関係」「職場の雰囲気」「コミュニケーション」などモチベーションに大きく関わる設問のスコアを分析します。ただし、設問がモチベーションの調査に最適化されておらず、分析が難しいこともあります。※エンゲージメントサーベイの設問設計については、エンゲージメントサーベイの解説記事をご覧ください。モチベーションサーベイサーベイの中でもモチベーション調査に特化したものを行う方法です。モチベーションの調査に最適化された設問を用意できるので、上の方法に比べると調査や分析の精度は高まるのがメリットですが、サーベイ実施の負担が増えるのがデメリットです。まずはエンゲージメントサーベイでモチベーションを分析し、それが難しければ新規でサーベイを行うと良いでしょう。1on1ミーティング上司と部下で1on1を行い、社員のモチベーションを把握する方法です。サーベイに比べて手軽に始められるのがメリットですが、部下が上司に対して本音を話すとは限らない点、モチベーションの測り方が主観的・定性的になりやすい点がデメリットです。※1on1については1on1ツールの解説記事をご覧ください。モチベーションを測る対象モチベーションの分析では「個人に対する分析」「組織に対する分析」の2種類があります。前者はモチベーションが低い社員を把握する方法であり、後者はそれが低いセグメント(部門・役職・職種など)を把握する方法です。どちらもモチベーションが低いものを特定してフォローや人事施策を行うのは同じですが、それぞれにメリット・デメリットがあるため、上手く使い分けましょう。個人に対する分析組織に対する分析分析対象特定の社員特定のセグメント(部門・役職・職種など)フォロー例社員への個別対応(社員との面談、メンタルケア、人事異動など)・管理職や事業責任者への個別対応(研修、面談など)・セグメント全体に対する対応(研修、チームビルディングなど)メリット・社員にパーソナライズした対応ができる・効果が出るのが早い・個別対応よりも工数が少ない・会社や組織全体へのインパクトは大きいデメリット・社員数が増えるほど工数が増える・会社や組織全体へのインパクトは小さい・社員一人ひとりにパーソナライズした対応は難しい・効果が出るのに時間がかかるモチベーションを測るポイント(個人)以下ではエンゲージメントスコアでモチベーションを分析することを前提とします。平均・中央値と乖離している社員を調べる組織(部署・役職・等級・年代など)のスコアと各社員のそれを比較します。もし組織よりもスコアを大きく下回る社員がいた場合、その社員はモチベーションが低いと考えられます。(例)営業部は平均70点なのに、営業部の社員Aは50点簡単なのはセグメントの平均値や中央値を見ることですが、スコアの偏りによってはそれらが実態を表していないこともあります。偏りを調べるためには標準偏差やz-スコアが有効です。時系列の変化を調べる直近でスコアが大きく変化した社員がいた場合、その社員のモチベーションが下がっていると考えられます。(例)営業部のAは3ヶ月前が70点だったのに1ヶ月前に50点に下がった設問ごとのスコア変化の傾向を調べる直近でスコアが大きく変化した社員がいた場合、どの設問のスコアが下がったのかを見る必要があります。(例)「上司との関係」が下がったのに他の設問が横ばいの場合、上司との関係が悪化してモチベーションが下がっているモチベーションを測るポイント(組織)いずれも分析の要領は個人と同じです。平均・中央値と乖離している組織を調べる組織の場合は各組織と全社のスコアを比較します。(例)全社は平均70点なのに、人事部は平均50点時系列の変化を調べる直近でスコアが大きく変化した組織があった場合、そこのモチベーションが下がっていると考えられます。(例)人事部の平均点は3ヶ月前は65点だったのに1ヶ月前に50点に下がった設問ごとのスコア変化の傾向を調べる直近でスコアが大きく変化した組織があった場合、どの設問のスコアが下がったのかを見る必要があります。(例)「上司との関係」が下がったのに他の設問が横ばいの場合、上司との関係が悪化してモチベーションが下がっているモチベーションを高めるステップスコアの変化に対する仮説を立てる上で見つけたスコアの変化がなぜ起きているかの仮説を立てます。データだけを見ても仮説が立てづらい場合、360度評価・サーベイの回答内容などの定性情報を調べたり社員にヒアリングするのも有効です。(例)職場の雰囲気のスコアは高いのに上司との関係のスコアだけ低い→上司とのコミュニケーションに問題ありアクションプランを考える仮説を踏まえて、それを解決するためのアクションを考えます。例えば、以下のようなアクションが考えられます。モチベーションが低い原因の仮説アクション職場の人間関係の不仲・チームビルディング研修・1on1の導入・人員配置の変更上司のマネジメント不足マネジメント研修の実施職場のコミュニケーションがとりづらい・定例会議の設置・チャットツールの導入ただし、人事制度や組織の変更などを伴う大規模なアクションになるほど効果が出るまでに時間がかかります。アクションが現実的に実行可能か、解決までのスピードが見合っているかなども踏まえて検討しましょう。スコアの変化を時系列で見る上で決めたアクションを実施した後、スコアの変化を定点観測します。アクションから数値に反映されるまでタイムラグがあることが多いので、しばらく様子見が必要です。もし時間が経過しても数値が変化しない、またはわずかな変化しか見られない場合、仮説やアクションを見直しましょう。モチベーションを測るときの課題スコアを色々な切り口で分析できないサーベイツールに搭載されている分析機能には色々な制約も存在します。例えば、「サーベイスコアの変化を時系列で確認する」「部署ごとのスコアを調べる」など基本的な分析は可能ですが、「等級や役職・年代ごとにスコアを見る」「スコアの変化値だけを見る」など軸や切り口を変えて分析するのは困難です。よって、スコアを細かく分析するためには、サーベイツールからデータをダウンロードするExcelで各データを突合するExcel上で集計やグラフ化を行うという工程を踏むことが多くなります。この1・2の作業を「前処理」などと呼びますが、データの種類や件数が増えるほど前処理の手間も大きくなります(一般的に、データ分析では8割の時間が前処理に費やされるとも言われています)。※Excelを使った人事データについては別の解説記事をご覧ください。多くの指標の相関分析が大変相関分析を行う流れは以下の通りです。「ある指標とエンゲージメントの相関が強い」と仮説を立てるその指標とエンゲージメントの相関係数を調べる相関が強い指標が見つかるまで1〜2を繰り返すエンゲージメントと相関の強い指標がなかなか見つからない場合、相関分析を何度も行う必要があり大変です。上記を踏まえて、モチベーションの分析ではExcelを脱却し、分析ツールを導入することをおすすめします。分析ツールを早めに導入すべき理由モチベーションの分析に限らず、人事や組織開発の業務は「重要度は高いが緊急度が低い」ものが多いため、課題を感じながらもExcel運用を続けている企業が多いのですが、なるべく早めの導入をおすすめします。その理由は以下の通りです。組織の機会損失の防止Excelでの人事マスタ運用を長く続けるとExcelが複雑化し(膨大な関数やタブ・データの繋ぎこみなど)、「Excelを扱える人事が少ない」「Excelでの集計に時間がかかる」などの課題が発生します。人事の多くの時間がExcelに割かれてしまい、組織の活性化やパフォーマンス向上などに時間を割けなくなってしまいます。組織の機会損失を防ぐためには、今問題になっていないとしても、早めにExcelを脱却してツールを導入することが重要です。他社に対する競争力拡大以前はLINEヤフーなどのITベンチャー企業を中心に分析ツール活用が進んでいましたが、最近では様々な業界の大手企業でも活用が進んでいます。企業名業種パナソニック製造日本たばこ産業たばこmixiITキリンホールディングス食品大成建設建設ハウスメイト不動産※出典記事は企業名のリンク先を参照同業他社が既に分析ツールを導入している場合は他社に乗り遅れないように、まだの場合は他社に差をつけるべく、早めに分析ツールを導入しましょう。分析ツールの違いBIツールとタレントマネジメントシステムの違い人事データの分析ツールとして有名なのはBIツールとタレントマネジメントシステムですが、両者には以下のような違いがあります。メリットデメリットBIツール色々な分析に対応できる(例)人事業務を行うことができないタレントマネジメントシステム1つのツール上で分析から人事業務まで完結できる分析機能に制約が多いそれぞれメリット、デメリットがありますが、分析をメインで行いたい場合はBIツールをおすすめします。※BIツール、タレントマネジメントシステムの解説記事もご覧ください。BIツールの比較汎用型と人事特化型BIツールには色々な種類がありますが、人事データを分析する上では「汎用型」「人事特化型」の違いが重要です。汎用型とは人事データ以外(営業、マーケティングなど)の分析用途にも使えるBIツールであり、人事特化型とは人事データの分析に特化したBIツールです。汎用型と人事特化型の違いを以下にまとめました。汎用型人事特化型設計コスト大小データの前処理コスト大小学習コスト大小柔軟な権限管理難易様々なコストが小さく済むことから、モチベーションの分析を行うためには人事特化型のBIツールを使うことをおすすめします。※汎用型・人事特化型について詳しく知りたい方は、人事データ分析におすすめのBIツールをご覧ください。Human & Humanここからはクラウドワークスで開発している人事特化型BIツールのHuman & Humanをご紹介させていただきます。Human & Humanの特徴は以下の通りです。設計コスト人事でよく使う色々なデータベースや計算式がデフォルトで用意されている。データの前処理コスト他の多くの人事システムとAPI連携している他、データクレンジングのサポートも用意。権限管理部署・職種・役職に合わせて各データの閲覧・編集権限を管理できる。学習コスト1クリックでデータのかけあわせができるので、データ分析に詳しくない人事でも簡単に操作可能相関分析散布図やヒートマップを使って簡単に分析できる。(例)データを時系列で分析できる他、指標をかけあわせた分析も1クリックで可能(例)ヒートマップで相関の強い指標を一目で把握できるHuman & Humanについて詳しく知りたい方は、機能や導入事例をご覧いただくか、以下よりお問い合わせお願いいたします。おすすめの記事人事データ分析について知りたい方は、タグ:人事データ分析のポイントをご覧ください。人事に関するシステムやツールについて知りたい方は、タグ:人事システム・ツールをご覧ください。