本記事では業務効率化や働き方改革を目指す企業向けに、人事データから人手不足を把握する方法について解説いたします。また、記事の最後では人事データ分析ツールHuman & Humanについてもご紹介しています。詳しく知りたい方は以下をご覧ください。機能導入事例資料請求サービス説明・デモ依頼人手不足とは人手不足とは文字通り、業務に対して人手が足りないことです。少子高齢化による生産年齢人口の減少終身雇用の崩壊、転職の一般化による流動性の増加副業・フリーランス・リモートワークなど多様な働き方の浸透ITやデジタルなどの急激な需要拡大に供給(人材)が追いつかないなどの様々な事情から企業の人材採用、定着は難易度が高まっており、どの企業も慢性的に人手不足の課題を抱えていると言えます。人手不足を人事データで分析するメリット人手不足というと「忙しい」「人が足りない」といった声が現場や事業部から人事部に寄せられることが多いですが、そうした声に頼りすぎず、人事データを元に人手不足を分析することも重要です。そのメリットは以下の通りです。カテゴリデータで分析するメリット感覚的な判断の排除上司や現場の「忙しい」「人が足りない」といった主観を、業務量・残業時間・成果データなどの客観的指標で可視化できる。適正配置・採用計画の精度向上各部署の「必要人員数」や「将来的な人員需要」を定量的に把握できるため、無駄のない採用計画・配置転換が可能になる。業務効率・生産性の改善「人が足りない」の真因が、実際には業務の非効率やスキルミスマッチにある場合を見抜ける。単純な増員ではなく、業務改善や教育で解決できるケースを特定できる。経営・人事の意思決定支援データを基にした人件費シミュレーションやROI分析が可能になり、人員増減の判断を経営レベルで説明できるようになる。リスクの早期発見残業時間・離職率・エンゲージメントデータから、人手不足が顕在化する前の予兆を検知できる。人手不足の判断基準何をもって人手不足とみなすかは様々な判断基準があります。ここではその基準をいくつかご紹介いたします。どの基準にもメリット、デメリットがあるので、1つの基準に頼らず複合的に分析することが重要です。業務量ベースでの定義社員1人あたりの業務量が多すぎて上限を超えてしまっているケースです。例えば、営業部の社員1人が1日にこなせる商談数が3件と仮定すると、商談数は20営業日で60件が上限となります。もし1人あたりの商談数/月が80件となっている場合、社員が上限を超えて多くの商談をこなしており、営業の人手が不足していると考えられます。この定義のメリットは人手不足を把握しやすいことですが、部署や職種によっては業務の忙しさを定量化しづらいことがデメリットです。例えば、エンジニアが毎月書くコードの行数を調べたとしても、行数が少ない=忙しくない とは限りません。この定義は営業(商談数・アポ数)やカスタマーサポート(問い合わせ件数)など、業務量を定量化しやすい部署や職種でのみ使うほうが良いでしょう。残業時間ベースでの定義社員1人あたりの残業時間が多すぎるケースです。例えば、全社の1人あたりの平均残業時間/月が30時間、営業部で平均残業時間/月が60時間だと仮定すると、営業部の残業時間は全社に比べて多すぎるので、人手不足により残業体質になっている可能性があります。この定義は人手不足を把握しやすい上、どの部署や職種であっても使えるのがメリットですが、残業時間の多さと人手不足が直結するとは限らないことがデメリットです。人手は足りているのに業務効率の悪さやマネジメントの問題などで残業時間が増えている可能性もあるからです。スキルベースでの定義あるスキル・経験を持った人材が不足しているケースです。例えば、開発部のエンジニアが20名いますが新人がほとんどであり、難易度の高い開発に対応できる人は1人いないと仮定します。このとき、エンジニアの人数は足りていますが開発スキルを持った人材が不足していると言えます。また、営業部に営業メンバーが10人いますがマネージャーがまだ管理職になりたてであり、上手くマネジメントができていないとします。このとき、マネジメントができる人材が不足しています。この定義は人手不足を把握しやすいですが、スキルの定量化が難しいため、人事データからでは判断しづらいのがデメリットです。社員のサーベイの回答結果や1on1の内容など、定性的なデータも踏まえて判断したほうが良いでしょう。人手不足の分析のステップ①部署ごとの残業時間の分析まずはどの部署の残業時間が多いかを調べます。繁忙期や人事異動などで一時的に業務量が増えている可能性もあるので、今月や先月の残業時間だけでなく、半年〜1年などの長いスパンでの推移を確認します。※もし営業やカスタマーサポートに絞って分析する場合、前述の業務量をベースに分析しても構いません。このとき全社の残業時間の平均値、中央値なども調べ、残業時間が多いとみなす基準値も決めておきましょう。もし残業時間が平均より多い月が慢性的に続いている部署は人手不足の可能性があります。②社員ごとの残業時間の分析次に、各社員の残業時間が多いかを調べます。部署全体では残業時間が少なくても、特定の社員の業務が集中していることがあるためです。部署と同様、半年〜1年などの長いスパンでの推移を確認します。もし①で調べた部署の残業時間は少ないのに特定の社員の残業時間が多い場合、その社員が持つスキルや経験が部署に不足している可能性があります。③社員のスキル分析残業時間が多い社員に共通するスキルや経験があるかを調べます。もし「残業時間が多い社員は営業経験5年以上」「残業時間が少ない社員は営業経験2年未満」などの共通点が発見できれば、スキルを持った社員の不足により残業時間が多くなっていると考えられます。社員のスキルの調べ方については、タレントマネジメントシステムなどを導入していれば社員のスキルマップを調べることができますが、そうでない場合は残業時間が多い社員の経歴や社内での活躍を調べましょう。また、当該社員の残業時間がなぜ多いのかを当該部署の社員にヒアリングするのも有効です。④他の人事データとの相関を調べる人手不足の部署や社員を確認できたら、人手不足がどのような悪影響をもたらしているかを調べます。例えば、残業時間や業務量と離職率、エンゲージメント、ストレスデータなどとの相関を調べます。これにより、人手不足がよりクリティカルになっている部署を調べ、人員配置の優先順位を付けることができます。※相関分析では指標同士の相関係数を調べます。詳しくは人事データ活用でよく使われる分析手法をご覧ください。⑤仮説を検証する以上の分析で出てきた仮説を、サーベイや360度評価などを元に検証します。既存のデータで検証が難しい場合、当該部署の社員にヒアリングをしても良いでしょう。もし検証の過程で、課題が人手不足以外(非効率な業務フロー、心理的安全性が低いなど)にあると判明した場合、人手を増やす以外の対策を検討しましょう。⑥アクションプランを考える人手不足の仮説が確からしいと検証できたら、人手を増やす方法を考えます。方法としては新規採用、他部署からの異動が考えられます。どちらにもメリット、デメリットがあるので、最適な方法を検討しましょう。施策メリットデメリット新規採用・必要なスキル・経験を持つ人材を直接補充できる。・組織の新しい視点や活力を取り入れられる。・既存組織のバランスを崩さずに増員できる。・採用コスト、期間がかかる。・入社後すぐに戦力化できない場合が多い。・社内文化に馴染めない恐れがある他部署からの異動・即戦力を確保しやすく、立ち上がりが早い。・社内文化・業務知識を理解している。・人件費を増やさずに調整できる。・異動元の部署で人手不足が発生する恐れがある。・本人が異動を希望しない場合、モチベーション低下リスクがある。・スキルが完全にマッチしない場合がある。⑦残業時間の変化を時系列で見るアクションを実施した後、人手不足が解消されたかを残業時間や相関の強いデータの変化を見て定点観測します。アクションから数値に反映されるまでタイムラグがあることが多いので、しばらく様子見が必要です。もし時間が経過しても数値が変化しない、またはわずかな変化しか見られない場合、原因の仮説やアクションを見直しましょう。人手不足の分析の課題データの前処理が大変人手不足と人事データの相関を調べるためには様々なデータが必要ですが、これらは複数のシステムに分散していることがほとんどです(社員情報はタレントマネジメントシステム、残業時間は勤怠管理システム、有給取得率はワークフローシステムなど)。そのため、各人事システムからデータをダウンロードするExcelで各データを突合するExcel上で集計やグラフ化を行うという工程を踏むことが多くなります。この1・2の作業を「前処理」などと呼びますが、データの種類や件数が増えるほど前処理の手間も大きくなります(一般的に、データ分析では8割の時間が前処理に費やされるとも言われています)。Excelでの集計が大変3の集計・グラフ化についても、色々と切り口を変えてデータを見る度に作業をやり直す必要があります。例えば、全社の残業時間データを見たい→次に部署別のデータを見たい→次に年代別のデータを見たい離職率と勤続年数の相関を見たい→次に残業時間とエンゲージメントスコアの相関を見たいのように色々な分析を行うと、集計やグラフ化だけでも大きな時間がかかります。※Excelを使った人事データについては別の解説記事をご覧ください。多くの指標の相関分析が大変相関分析を行う流れは以下の通りです。「ある指標と残業時間の相関が強い」と仮説を立てるその指標と残業時間の相関係数を調べる相関が強い指標が見つかるまで1〜2を繰り返す残業時間と相関の強い指標がなかなか見つからない場合、相関分析を何度も行う必要があり大変です。上記を踏まえて、人手不足の分析ではExcelを脱却し、分析ツールを導入することをおすすめします。分析ツールを早めに導入すべき理由人手不足の分析に限らず、人事や組織開発の業務は「重要度は高いが緊急度が低い」ものが多いため、課題を感じながらもExcel運用を続けている企業が多いのですが、なるべく早めの導入をおすすめします。その理由は以下の通りです。組織の機会損失の防止Excel運用を長く続けるとExcelが複雑化し(膨大な関数やタブ・データの繋ぎこみなど)、「Excelを扱える人事が少ない」「Excelでの集計に時間がかかる」などの課題が発生します。人事の多くの時間がExcelに割かれてしまい、組織の活性化やパフォーマンス向上などに時間を割けなくなってしまいます。組織の機会損失を防ぐためには、今問題になっていないとしても、早めにExcelを脱却してツールを導入することが重要です。他社に対する競争力拡大以前はLINEヤフーなどのITベンチャー企業を中心に分析ツール活用が進んでいましたが、最近では様々な業界の大手企業でも活用が進んでいます。企業名業種パナソニック製造日本たばこ産業たばこmixiITキリンホールディングス食品大成建設建設ハウスメイト不動産※出典記事は企業名のリンク先を参照同業他社が既に分析ツールを導入している場合は他社に乗り遅れないように、まだの場合は他社に差をつけるべく、早めに分析ツールを導入しましょう。分析ツールの違いBIツールとタレントマネジメントシステムの違い人事データの分析ツールとして有名なのはBIツールとタレントマネジメントシステムですが、両者には以下のような違いがあります。メリットデメリットBIツール色々な分析に対応できる人事業務を行うことができないタレントマネジメントシステム1つのツール上で分析から人事業務まで完結できる分析機能に制約が多いそれぞれメリット、デメリットがありますが、分析をメインで行いたい場合はBIツールをおすすめします。※BIツール、タレントマネジメントシステムの解説記事もご覧ください。BIツールの比較汎用型と人事特化型BIツールには色々な種類がありますが、人事データを分析する上では「汎用型」「人事特化型」の違いが重要です。汎用型とは人事データ以外(営業、マーケティングなど)の分析用途にも使えるBIツールであり、人事特化型とは人事データの分析に特化したBIツールです。汎用型と人事特化型の違いを以下にまとめました。汎用型人事特化型設計コスト大小データの前処理コスト大小学習コスト大小柔軟な権限管理難易様々なコストが小さく済むことから、残業時間の分析を行うためには人事特化型のBIツールを使うことをおすすめします。※汎用型・人事特化型について詳しく知りたい方は、人事データ分析におすすめのBIツールをご覧ください。Human & Humanここからはクラウドワークスで開発している人事特化型BIツールのHuman & Humanをご紹介させていただきます。Human & Humanの特徴は以下の通りです。設計コスト人事でよく使う色々なデータベースや計算式がデフォルトで用意されている。データの前処理コスト他の多くの人事システムとAPI連携している他、データクレンジングのサポートも用意。権限管理部署・職種・役職に合わせて各データの閲覧・編集権限を管理できる。学習コスト1クリックでデータのかけあわせができるので、データ分析に詳しくない人事でも簡単に操作可能相関分析散布図やヒートマップを使って簡単に分析できる。Human & Humanについて詳しく知りたい方は、機能や導入事例をご覧いただくか、以下よりお問い合わせお願いいたします。おすすめの記事人事データ分析について知りたい方は、タグ:人事データ分析のポイントをご覧ください。人事に関するシステムやツールについて知りたい方は、タグ:人事システム・ツールをご覧ください。