本記事では社員のモチベーションアップや目標へのコミットメント向上を検討している企業向けに、目標管理ツールの概要やよくある課題を解説いたします。また、記事の最後では人事データ分析ツールHuman & Humanについてもご紹介しています。詳しく知りたい方は以下をご覧ください。機能導入事例資料請求サービス説明・デモ依頼目標管理とは概要目標管理(MBO)とは、1950年代にピーター・ドラッカーによって提唱された経営手法であり、組織のパフォーマンスを向上させることが目的です。そのポイントは2つあります。会社が社員に目標を与えるのではなく、社員が自ら目標を設定することで主体的に仕事に取り組むことができる会社の目標・各部署の目標・各社員の目標をそれぞれ連動させることにより、社員の努力が会社の成果に直結する各社員に対して目標を設定し、その達成のために努力する手法です。メリット難しい目標達成のために社員の挑戦意欲や向上心が養われる達成すべき目標を明確にすることで労働生産性が高まる目標達成に対する意識(コミットメント)が向上しやすくなるOKRとの違い昨今では目標管理と似た概念としてOKRがあります。いずれも目標を設定し、その達成のために社員が努力する点は同じなのですが、目的や目標の難易度が大きく異なります。目標管理は目標達成を通じて会社や組織パフォーマンスを向上させることに重きを置いているため、基本的には達成を見込める現実的な目標を設定します。一方、OKRは難しい目標に挑戦することで社員の挑戦意欲やモチベーションをアップさせることに重きを置くため、達成が難しい目標(ムーンショット)をあえて設定することがあります。項目目標管理OKR目的組織のパフォーマンス向上社員のモチベーションアップ目標の難易度現実的で達成できる目標を設定あえて達成が難しい高い目標を設定することも多い※OKRについてはOKRツールの解説記事をご覧ください。目標管理ツールとは目標管理ツールの機能機能カテゴリ機能概要目標設定・管理目標と成果指標の作成・編集を行う。進捗管理目標の進捗を定量・定性で記録し、グラフやバーで視覚的に表示。フィードバック機能上司・同僚からのコメント、称賛、1on1記録などができ、目標達成を支援。リマインド・通知目標の更新・進捗報告のリマインダーや、達成状況の通知を自動で送信。レポート・分析機能過去の目標データを分析し、達成傾向や改善点の可視化。エクスポート機能にも対応。目標管理ツールの種類目標管理ツールは「一体型」と「特化型」の2種類に分けられます。一体型目標管理やそれに紐付く業務(人事評価、タレントマネジメントなど)を管理できるタイプです。メリットは1つのシステムで業務を完結できる点、人事データの一元管理をしやすい点ですが、機能が豊富な分高額になりやすい、学習コストが高いといったデメリットもあります。また、特化型に比べて機能やできることに制約があることも多いです。例えば、一体型にもタレントマネジメント機能は搭載されていますが、タレントマネジメントに特化したシステムに比べれば弱い部分があります。特化型目標管理に特化したタイプです。メリットは一体型に比べて安価で学習コストが低い点ですが、1つのシステムで全ての人事業務をカバーできないので複数のシステムが必要になる点はデメリットです。複数のシステムを導入すると学習コストも増えるので、一体型に比べると却ってトータルのコストが高くなってしまう恐れもあります。また、人事データが複数のシステムに分散してしまうため、データ一元管理が難しい点もデメリットです。一体型、特化型の特徴をまとめると以下の通りです。特徴一体型特化型価格高い低い※複数システムを導入することでトータルで割高になる恐れあり学習コスト高い低い※複数システムを導入することでトータルで割高になる恐れあり人事データの一元管理易しい難しい目標管理ツールの料金体系具体的な金額は会社によって異なるので、ここでは一般的な目標管理ツールの料金体系を説明いたします。初期費用システムの導入時のみ発生する費用です。主にアカウントの開設、カスタマーサクセスなどのコストを回収するためのものですが、金額としては小さいため、初期費用を無料にしている会社もあります。ランニングコスト支払いサイクルは月次、半年、年次など会社によって異なりますが、月次が一般的です。初期費用に比べて解約まで継続的に発生するので、企業が金額を比較する際はランニングコストを重視する必要があります。ランニングコストは主に従量課金制ですが、ユーザー数に応じて料金が増えることが多いです(1名あたり100円など)。目標管理ツールは全社での導入が多いので、従業員数が増えるほどランニングコストも高くなります。コストを抑えるためには単価が安いことがベストですが、単価が安いほど機能も少なくなりやすいことに要注意です。目標管理ツールを導入するには目標管理ツールの比較のポイント実現したい内容目標管理や議事録を共有するだけならそれほど難しくないのですが、「人事評価と紐付ける」「ToDoを管理する」など目標管理に紐付く業務まで含めると、目標管理ツールで実現できることは多岐に渡ります。具体的に何を実現したいかを整理しましょう。権限管理目標管理では、人事評価など上司と部下だけで共有すべきセンシティブな内容が話されることもあり、個人情報保護の観点から慎重な取り扱いが求められます。これらのデータを目標管理ツールで管理する場合は、所属や利用目的に応じてアクセス権限を調整する必要があります。(例)会話の内容を人事部・管理職・経営陣のみ閲覧可能にするこのような権限管理機能が搭載されているかを確認しましょう。※人事データの保護についてはプライバシー保護の解説記事をご覧ください。コスト前述の通り、多くの目標管理ツールは従量課金制ですが、単価はサービスによって大きく異なります。安価に越したことはありませんが、機能不足で要件を満たせないのは本末転倒です。システムを利用するユーザー数や機能を想定してコストをシミュレーションし、要件と比べて金額が見合うかを検討しましょう。操作性機能が豊富でも、UIが分かりにくい、動作が重いといった問題で使いづらいことがあります。多くのツールではトライアルを提供しているため、事前に操作性を確認しておきましょう。カスタマーサポート導入後に問い合わせができるだけでなく、他のサポートを用意している場合もあります。どのようなサポート体制があるか確認しておきましょう。(例)カスタマーサクセス担当者が付き、運用が立ち上がるまで伴走してくれるFAQやユーザーコミュニティが用意されており、疑問点を解消しやすい目標管理ツールの導入ステップ要件を整理する実現したいこと、コスト、他システムとの連携など求める要件を整理します。目標管理ツールを比較する要件を元にシステムをいくつか選定&トライアルし、どれにするかを検討します。目標管理ツールを構築する導入するシステムが決定したら、ツールの契約手続きや設定作業他システムとのAPI連携などの開発を開始します。ツール周りの作業は運営会社が支援してくれますが、人事システムとの連携などは自社で対応することが多く、情報システム部やIT部門と連携して開発を進めます。構築が完了したら受け入れテストを行い、目標管理が問題無く行えるかを確認します。リリーステストが完了したら目標管理ツールをリリースし、本番運用を開始します。目標管理ツールによくある課題効果測定がしづらい前述の通り、目標管理は社員のモチベーションや労働生産性の向上を目的とした手法です。よって、目標管理の効果を測るためには、目標管理の達成状況とそれらが相関しているかを調べることになります。ところが、多くの目標管理ツールでは達成状況をセグメント(部署、職種、入社年度など)ごとに集計したり、時系列(1年前、半年前、現在など)で把握する機能は搭載されていますが、上記のような相関分析を行う機能はありません。データの前処理が大変よって、目標達成と他のKPIの相関分析を行うためには、目標管理ツールや他の人事システムからデータをダウンロードするExcelで各データを突合するExcel上で集計やグラフ化を行うという工程を踏むことが多くなります。この1・2の作業を「前処理」などと呼びますが、データの種類や件数が増えるほど前処理の手間も大きくなります(一般的に、データ分析では8割の時間が前処理に費やされるとも言われています)。分析ツールを早めに導入すべき理由上記の理由から、目標管理ツールを導入しながらもExcelでデータ分析を続けている企業が多いのですが、なるべく早めに分析ツールを導入することをおすすめします。その理由は以下の通りです。組織の機会損失の防止Excelでの人事マスタ運用を長く続けるとExcelが複雑化し(膨大な関数やタブ・データの繋ぎこみなど)、「Excelを扱える人事が少ない」「Excelでの集計に時間がかかる」などの課題が発生します。人事の多くの時間がExcelに割かれてしまい、組織の活性化やパフォーマンス向上などに時間を割けなくなってしまいます。組織の機会損失を防ぐためには、今問題になっていないとしても、早めにExcelを脱却してツールを導入することが重要です。他社に対する競争力拡大以前はLINEヤフーなどのITベンチャー企業を中心に分析ツール活用が進んでいましたが、最近では様々な業界の大手企業でも活用が進んでいます。企業名業種パナソニック製造日本たばこ産業たばこmixiITキリンホールディングス食品大成建設建設ハウスメイト不動産※出典記事は企業名のリンク先を参照同業他社が既に分析ツールを導入している場合は他社に乗り遅れないように、まだの場合は他社に差をつけるべく、早めに分析ツールを導入しましょう。分析ツールの違いBIツールとタレントマネジメントシステムの違い人事データの分析ツールとして有名なのはBIツールとタレントマネジメントシステムですが、両者には以下のような違いがあります。メリットデメリットBIツール色々な分析に対応できる人事業務を行うことができないタレントマネジメントシステム1つのツール上で分析から人事業務まで完結できる分析機能に制約が多いそれぞれメリット、デメリットがありますが、分析をメインで行いたい場合はBIツールをおすすめします。※BIツール、タレントマネジメントシステムの解説記事もご覧ください。BIツールの比較汎用型と人事特化型BIツールには色々な種類がありますが、人事データを分析する上では「汎用型」「人事特化型」の違いが重要です。汎用型とは人事データ以外(営業、マーケティングなど)の分析用途にも使えるBIツールであり、人事特化型とは人事データの分析に特化したBIツールです。汎用型と人事特化型の違いを以下にまとめました。汎用型人事特化型設計コスト大小データの前処理コスト大小学習コスト大小柔軟な権限管理難易様々なコストが小さく済むことから、分析を行うためには人事特化型のBIツールを使うことをおすすめします。※汎用型・人事特化型について詳しく知りたい方は、人事データ分析におすすめのBIツールをご覧ください。Human & Humanここからはクラウドワークスで開発している人事特化型BIツールのHuman & Humanをご紹介させていただきます。Human & Humanの特徴は以下の通りです。設計コスト人事でよく使う色々なデータベースや計算式がデフォルトで用意されている。データの集計コスト他の多くの人事システムとAPI連携している他、データクレンジングのサポートも用意。権限管理部署・職種・役職に合わせて各データの閲覧・編集権限を管理できる。学習コスト1クリックでデータのかけあわせができるので、データ分析に詳しくない人事でも簡単に操作可能相関分析散布図やヒートマップを使って簡単に分析できる。(例)データを時系列で分析できる他、指標をかけあわせた分析も1クリックで可能(例)ヒートマップで相関の強い指標を一目で把握できるHuman & Humanについて詳しく知りたい方は、機能や導入事例をご覧いただくか、以下よりお問い合わせお願いいたします。おすすめの記事人事データ分析について知りたい方は、タグ:人事データ分析のポイントをご覧ください。人事に関するシステムやツールについて知りたい方は、タグ:人事システム・ツールをご覧ください。