本記事では、研修の効率化を検討する企業向けに、研修管理システム(LMS)の概要やよくある課題について解説いたします。また、記事の最後では人事データ分析ツールHuman & Humanについてもご紹介しています。詳しく知りたい方は以下をご覧ください。機能導入事例資料請求サービス説明・デモ依頼研修管理とは研修管理の概要研修管理とは、社員が受講した研修を管理する仕組みのことです。研修管理が注目される背景研修管理は古くから存在する概念ですが、昨今の日本で注目されるようになった背景はいくつかあります。リスキリングやタレントマネジメントの浸透により、社員のスキルや強みに合わせた育成の仕組みが求められている人的資本経営の浸透により、人材価値や企業価値の向上が加速しているテレワークの浸透によりデータで人事や組織を把握する必要性が生じた研修管理システムとは研修管理システム(Learning Management System、LMS)とは、研修管理を効率化するためのシステムです。研修管理システムの機能とメリット機能メリット研修計画の作成・管理研修の全体像を可視化し、計画的な人材育成が可能になる受講者の登録・進捗管理個人ごとの受講状況を把握でき、フォローアップがしやすくなる研修コンテンツの配信(eラーニング含む)場所や時間を問わず学習でき、受講者の利便性が向上するテスト・アンケートの作成・実施研修効果の測定や参加者の理解度を確認できる受講履歴・成績の記録法令対応や社内資格管理など、受講実績の証明や分析が可能になるリマインド通知・スケジュール管理受講漏れを防ぎ、受講率を高められるレポート・分析機能研修の効果や課題を可視化し、改善サイクル(PDCA)が回せる多言語・マルチデバイス対応海外拠点やスマホユーザーにも対応し、グローバル・柔軟な運用が可能になる研修管理システムの種類一体型eラーニング以外(オンサイト研修・外部研修など)や社員のスキル管理などの機能も備えたツールです。メリットは、eラーニング以外の業務も1つで完結できる点や、研修の一元管理がしやすい点です。一方、特化型に比べて高価になりやすく、eラーニング専用ではないため機能に制約があることもあります。特化型eラーニングに特化して開発されたツールです。メリットは、一体型より安価で機能が豊富な点です。ただし、eラーニング以外の業務は別システムが必要になり、人事データも分散するため、統合的な分析が難しいというデメリットがあります。一体型、特化型の特徴をまとめると以下の通りです。特徴一体型特化型価格高い安いeラーニングの機能弱い強いeラーニング以外の業務対応可対応不可研修の一元管理易しい難しい研修管理システムの料金体系具体的な金額は会社によって異なるので、ここでは一般的な研修管理システムの料金体系を説明いたします。初期費用システムの導入時のみ発生する費用です。主にアカウントの開設、カスタマーサクセスなどのコストを回収するためのものですが、金額としては小さいため、初期費用を無料にしている会社もあります。ランニングコスト支払いサイクルは月次、半年、年次など会社によって異なりますが、月次が一般的です。初期費用に比べて解約まで継続的に発生するので、企業が金額を比較する際はランニングコストを重視する必要があります。ランニングコストは主に従量課金制ですが、ユーザー数に応じて料金が増えることが多いです(1名あたり100円など)。研修管理システムは全社での導入が多いので、従業員数が増えるほどランニングコストも高くなります。コストを抑えるためには単価が安いことがベストですが、単価が安いほど機能も少なくなりやすいことに要注意です。研修管理システムを導入するには研修管理システム比較のポイント実現したい内容eラーニングの予約やスケジュールを管理するだけならそれほど難しくないのですが、「外部研修を管理する」「OKRと紐付ける」など研修管理に紐付く業務まで含めると、研修管理システムで実現できることは多岐に渡ります。具体的に何を実現したいかを整理しましょう。コスト前述の通り、多くの研修管理システムは従量課金制ですが、単価はサービスによって大きく異なります。安価に越したことはありませんが、機能不足で要件を満たせないのは本末転倒です。システムを利用するユーザー数や機能を想定してコストをシミュレーションし、要件と比べて金額が見合うかを検討しましょう。操作性機能が豊富でも、UIが分かりにくい、動作が重いといった問題で使いづらいことがあります。多くのツールではトライアルを提供しているため、事前に操作性を確認しておきましょう。カスタマーサポート導入後に問い合わせができるだけでなく、他のサポートを用意している場合もあります。どのようなサポート体制があるか確認しておきましょう。(例)カスタマーサクセス担当者が付き、運用が立ち上がるまで伴走してくれるFAQやユーザーコミュニティが用意されており、疑問点を解消しやすい研修管理システムの導入ステップ要件を整理する実現したいこと、コスト、他システムとの連携など求める要件を整理します。研修管理システムを比較する要件を元にシステムをいくつか選定&トライアルし、どれにするかを検討します。研修管理システムを構築する導入するシステムが決定したら、ツールの契約手続きや設定作業他システムとのAPI連携などの開発を開始します。ツール周りの作業は運営会社が支援してくれますが、人事システムとの連携などは自社で対応することが多く、情報システム部やIT部門と連携して開発を進めます。構築が完了したら受け入れテストを行い、研修管理が問題無く行えるかを確認します。リリーステストが完了したら研修管理システムをリリースし、本番運用を開始します。研修管理システムによくある課題データの前処理が大変研修管理システムで研修を管理できるようになったら、研修の効果が出ているのかを調べたくなるでしょう。そのためには、他のデータとの相関を調べる必要があります。例えばスキルアップや業務効率化の研修を受けた場合、研修後にパフォーマンス・労働時間・人事評価などに変化があったかを確認します。※研修の効果測定については研修の分析の解説記事をご覧ください。ところが、これらのデータは複数のシステムに分散していることがほとんどです(残業時間は勤怠管理システム、人事評価はタレントマネジメントシステムなど)。そのため、各人事システムからデータをダウンロードするExcelで各データを突合するExcel上で集計やグラフ化を行うという工程を踏むことが多くなります。この1・2の作業を「前処理」などと呼びますが、データの種類や件数が増えるほど前処理の手間も大きくなります(一般的に、データ分析では8割の時間が前処理に費やされるとも言われています)。データの集計やグラフ化が大変3の集計・グラフ化についても、色々と切り口を変えてデータを見る度に作業をやり直す必要があります。例えば、全社の残業時間データを見たい→次に部署別のデータを見たい→次に年代別のデータを見たい離職率と勤続年数の相関を見たい→次に残業時間とエンゲージメントスコアの相関を見たいのように色々な分析を行うと、集計やグラフ化だけでも大きな時間がかかります。BIツールの比較汎用型と人事特化型上記を踏まえて、研修の効果測定をするためにはBIツールを導入することがおすすめです。BIツールには色々な種類がありますが、人事データを分析する上では「汎用型」「人事特化型」の違いが重要です。汎用型とは人事データ以外(営業、マーケティングなど)の分析用途にも使えるBIツールであり、人事特化型とは人事データの分析に特化したBIツールです。汎用型と人事特化型の違いを以下にまとめました。汎用型人事特化型設計コスト大小データの前処理コスト大小学習コスト大小柔軟な権限管理難易様々なコストが小さく済むことから、人事データ分析を行うためには人事特化型のBIツールを使うことをおすすめします。※汎用型・人事特化型について詳しく知りたい方は、人事データ分析におすすめのBIツールをご覧ください。Human & Humanここからはクラウドワークスで開発している人事特化型BIツールのHuman & Humanをご紹介させていただきます。人事でよく使う色々なデータベースや計算式がデフォルトで用意されているため、設計コストやデータのコストを小さく抑えることができます。また、他の多くの人事システムとAPI連携している他、データクレンジングのサポートもしてくれるため、データ分析の8割とも言われる前処理コストを大きく削減できます。1クリックで色々な軸でデータを分析でき、複数軸のかけあわせもできます。(例)部署別×男女別の離職率散布図やヒートマップを使って複数の人事データの相関を調べることもできます。(例)残業時間と離職率の相関Human & Humanについて詳しく知りたい方は、機能や導入事例をご覧いただくか、以下よりお問い合わせお願いいたします。