本記事では人事業務の効率化や人事データ活用を検討している企業向けに、HRISの概要やよくある課題を解説いたします。また、記事の最後では人事データ分析ツールHuman & Humanについてもご紹介しています。詳しく知りたい方は以下をご覧ください。機能導入事例資料請求サービス説明・デモ依頼HRISとはHRISの概要HRIS(Human Resource Information System、人事情報システム)とは、企業の人事データを集約し、人事業務を効率化するためのシステムです。HRISの機能機能の概要主なメリット従業員情報管理個人情報・雇用情報などを一元管理し、情報の更新・検索が容易になる勤怠管理出退勤時間や休暇・残業・シフトを管理する給与・賞与計算労働時間を元に給与を計算人材・スキル情報の可視化スキルや経歴の把握により、最適な配置や育成計画の立案が可能人事評価・目標管理評価基準の統一・記録の蓄積により、公平性の高い評価とフィードバックが実現採用管理応募~採用までの進捗管理や履歴の一元化により、採用業務の効率化と精度向上が可能研修・育成管理研修履歴や進捗状況の把握ができ、従業員のスキルアップ支援に役立つ組織図・人員配置管理組織構成の可視化により、人員バランスや配置の最適化が可能ダッシュボード・人事分析離職率や人件費などを可視化し、経営・人事戦略の意思決定に活用できるHRISの種類人事システムには様々な機能を搭載した一体型と一機能に特化したもの(勤怠管理システム、サーベイツールなど)がありますが、HRISは基本的に一体型となります。ただし、一体型の中でもタレントマネジメント機能が強いもの、人事労務機能が強いものなどシステムごとに得意領域は異なります。HRMS、HCMとの違いHRISとよく似た言葉にHRMS(人事管理システム)、HCM(人的資本管理)があります。歴史的にはHRISをより機能拡張したものがHRMS、HRMSをさらに拡張したのがHCMですが、3者には共通部分も多いのであまり厳密に考える必要はありません。HRISの料金体系具体的な金額は会社によって異なるので、ここでは一般的なHRISの料金体系を説明いたします。初期費用システムの導入時のみ発生する費用です。主にアカウントの開設、カスタマーサクセスなどのコストを回収するためのものですが、金額としては小さいため、初期費用を無料にしている会社もあります。ランニングコスト支払いサイクルは月次、半年、年次など会社によって異なりますが、月次が一般的です。初期費用に比べて解約まで継続的に発生するので、企業が金額を比較する際はランニングコストを重視する必要があります。ランニングコストは主に従量課金制ですが、ユーザー数か利用機能に応じて料金が増えることが多いです(両方を取り入れているシステムもあります)。ユーザー数課金機能課金概要システムを利用するユーザー(=社員)の数に応じて金額が増える仕組みシステムで利用する機能に応じて金額が増える仕組み(例)サーベイ機能を使うと+2万円おすすめの企業・経営者や人事部など、一部の人間だけでシステムを利用する場合 ・色々な機能を使いたい場合・事業部なども含めて全社的にシステムを利用する場合・一部の機能だけを使いたい場合どちらがおすすめかはシステムの運用の仕方によって異なります。例えば、人事部だけでなく事業部など全社的にシステムを利用する場合、ユーザー数が多いのでユーザー数課金よりも機能課金を選んだほうが安くなります。逆に、機能課金は多くの機能を使うほど割高になるので、色々な機能を使いたい場合はユーザー数課金のほうが良いでしょう。HRISを導入するには比較のポイント実現したい内容HRISで実現できることは多岐に渡ります。具体的に何を実現したいかを整理しましょう。権限管理人事データにはセンシティブな情報(給与情報、人事評価など)もあり、個人情報保護の観点から取り扱いに注意する必要があります。そういったデータをHRISで管理する場合、社員の所属や人事データの利用目的に応じてアクセス権限を調整する必要があります。(例)会話の内容は人事部、管理職、経営陣だけが閲覧できるようにするそういった権限管理の機能を搭載しているかどうかを確認しましょう。※人事データの保護についてはプライバシー保護の解説記事をご覧ください。コスト前述の通りHRISの多くは従量課金制ですが、単価は会社によって大きく異なります。安いに越したことはありませんが、安くて機能が少ないシステムを選んだ結果、要件を実現できなくなるのは本末転倒です。システムを利用するユーザー数や機能を想定してコストをシミュレーションし、要件と比べて金額が見合うかを検討しましょう。操作性機能が豊富でもUIが分かりづらかったり、動作が重くて使いづらいことがあります。多くのHRISではトライアルを提供しているので、トライアルで操作性を確認しておきましょう。カスタマーサポート多くのHRISでは導入後にカスタマーサポートへの問い合わせなどができますが、それ以外のサポートを用意していることもあります。どのようなサポートがあるかは確認しておきましょう。(例)カスタマーサクセス担当者が付き、運用が立ち上がるまで伴走してくれるFAQやユーザーコミュニティが用意されており、疑問点を解消しやすい導入時の注意点どのシステムを導入する際でも共通して注意すべき点を解説いたします。人事システムや人事データへの影響の整理別の人事システムを運用しているところにHRISを導入すると、人事データが分散したり運用が混乱する恐れがあります。よって、導入による人事システムや人事データへの影響を理解しておく必要があります。導入前導入後各業務がどの人事システムで動いているかどの業務がHRISに置き換わるか各人事データがどの人事システムで管理されているかどの人事データがHRISで管理されるかシステム間がどのように連携しているかHRISと既存システムがどのように連携するかHRISの導入ステップ要件を整理する実現したいこと、コスト、他システムとの連携など求める要件を整理します。HRISを比較する要件を元にシステムをいくつか選定&トライアルし、どれにするかを検討します。HRISを構築する導入するシステムが決定したら、ツールの契約手続きや設定作業他システムとのAPI連携などの開発を開始します。ツール周りの作業は運営会社が支援してくれますが、人事システムとの連携などは自社で対応することが多く、情報システム部やIT部門と連携して開発を進めます。構築が完了したら受け入れテストを行い、業務が問題無く行えるかを確認します。リリーステストが完了したらHRISをリリースし、本番運用を開始します。よくある課題特化型に比べて機能の制約が多い前述の通りHRISは人事領域の様々な機能を搭載していますが、特定領域に特化したシステムに比べると制約があり、器用貧乏になりがちです。例えば、勤怠管理システムやサーベイツールに比べると勤怠管理やサーベイの機能が少なくなります。データ分析が弱いHRISにもデータ分析機能が搭載されていますが、制約があり自由に分析できないこともあります。例えば、某社のシステムでは現時点での社員や組織のデータのみ集計可能であり、特定時点(2025年1月時点など)に遡ってデータを見る特定時点(3年前など)から現時点までの時系列でデータの変化を見るといった集計ができません。また、サーベイを実施して社員の属性(部署や役職など)ごとにエンゲージメントの傾向を見ることはできますが、他の指標(離職率など)との相関分析、クラスター分析、回帰分析などの高度な分析はできません。HRIS内で分析できない場合はデータをダウンロードしてExcelなどで行うことになりますが、Excelでデータを加工・集計したりグラフや図を作るのには時間がかかるため、Excelでの分析も簡単とは言えません。分析ツールを早めに導入すべき理由上記の理由から、HRISを導入しながらもExcelでデータ分析を続けている企業が多いのですが、なるべく早めに分析ツールを導入することをおすすめします。その理由は以下の通りです。組織の機会損失の防止Excelでの人事マスタ運用を長く続けるとExcelが複雑化し(膨大な関数やタブ・データの繋ぎこみなど)、「Excelを扱える人事が少ない」「Excelでの集計に時間がかかる」などの課題が発生します。人事の多くの時間がExcelに割かれてしまい、組織の活性化やパフォーマンス向上などに時間を割けなくなってしまいます。組織の機会損失を防ぐためには、今問題になっていないとしても、早めにExcelを脱却してツールを導入することが重要です。他社に対する競争力拡大以前はLINEヤフーなどのITベンチャー企業を中心に分析ツール活用が進んでいましたが、最近では様々な業界の大手企業でも活用が進んでいます。企業名業種パナソニック製造日本たばこ産業たばこmixiITキリンホールディングス食品大成建設建設ハウスメイト不動産※出典記事は企業名のリンク先を参照同業他社が既に分析ツールを導入している場合は他社に乗り遅れないように、まだの場合は他社に差をつけるべく、早めに分析ツールを導入しましょう。分析ツールの違いBIツールとタレントマネジメントシステムの違い人事データの分析ツールとして有名なのはBIツールとタレントマネジメントシステムですが、両者には以下のような違いがあります。メリットデメリットBIツール色々な分析に対応できる人事業務を行うことができないタレントマネジメントシステム1つのツール上で分析から人事業務まで完結できる分析機能に制約が多いそれぞれメリット、デメリットがありますが、分析をメインで行いたい場合はBIツールをおすすめします。※BIツール、タレントマネジメントシステムの解説記事もご覧ください。BIツールの比較汎用型と人事特化型BIツールには色々な種類がありますが、人事データを分析する上では「汎用型」「人事特化型」の違いが重要です。汎用型とは人事データ以外(営業、マーケティングなど)の分析用途にも使えるBIツールであり、人事特化型とは人事データの分析に特化したBIツールです。汎用型と人事特化型の違いを以下にまとめました。汎用型人事特化型設計コスト大小データの前処理コスト大小学習コスト大小柔軟な権限管理難易様々なコストが小さく済むことから、分析を行うためには人事特化型のBIツールを使うことをおすすめします。※汎用型・人事特化型について詳しく知りたい方は、人事データ分析におすすめのBIツールをご覧ください。Human & Humanここからはクラウドワークスで開発している人事特化型BIツールのHuman & Humanをご紹介させていただきます。Human & Humanの特徴は以下の通りです。設計コスト人事でよく使う色々なデータベースや計算式がデフォルトで用意されている。データの集計コスト他の多くの人事システムとAPI連携している他、データクレンジングのサポートも用意。権限管理部署・職種・役職に合わせて各データの閲覧・編集権限を管理できる。学習コスト1クリックでデータのかけあわせができるので、データ分析に詳しくない人事でも簡単に操作可能相関分析散布図やヒートマップを使って簡単に分析できる。(例)データを時系列で分析できる他、指標をかけあわせた分析も1クリックで可能(例)ヒートマップで相関の強い指標を一目で把握できるHuman & Humanについて詳しく知りたい方は、機能や導入事例をご覧いただくか、以下よりお問い合わせお願いいたします。おすすめの記事人事データ分析について知りたい方は、タグ:人事データ分析のポイントをご覧ください。人事に関するシステムやツールについて知りたい方は、タグ:人事システム・ツールをご覧ください。