本記事では人事データを活用したい人事の方向けに、人事データのプライバシー保護について解説します。人事データのプライバシー保護が重要な理由人事データには個人情報が多数含まれており、個人情報保護の観点から取り扱いに注意する必要があります。(例)社員の姓名・連絡先・家族情報・マイナンバーまた、個人情報以外にも機密性が高い情報も含まれています。(例)人事評価・給与情報・退職理由・開示前の異動情報人事データのプライバシー保護のポイント人事マスタに機密情報を入力しない人事マスタとは、社内の人事データを集約したシステムのことです。一般的に、人事データは複数のシステムに分散して管理されているため、データの取得・集計に大きな手間がかかります。人事データをスムーズに活用するためには、人事マスタを構築してデータを一元管理する必要があります。※人事マスタについて詳しく知りたい方は人事データ分析に不可欠! 人事マスタ構築のポイントやツール比較も合わせてご覧ください。一方、人事マスタに機密性の高い情報を入れると、経営陣や事業部の社員が人事マスタを利用する際に情報が見えてしまう恐れがあります。人事マスタには機密情報(マイナンバーや家族情報、住所など)を入力しない、個人を特定できないようにする(給与情報から社員名を削除するなど)といった工夫が必要です。権限管理のできるシステムを利用する社員に適切な範囲で人事データを開示するためには、社員の所属や人事データの利用目的に応じてアクセス権限を調整する必要があります。(例)給与情報は人事部、管理職、経営陣だけが閲覧できるようにするそのような権限管理のできるシステムで人事マスタを構築することをおすすめします。社員からの利用許諾を得る社員から人事情報を取得する際は利用目的を明示し、事前に許諾を得ましょう。(例)部門ごとにエンゲージメントが低い社員を把握してフォローしたい→サーベイ実施時に利用目的を明記するExcelでの人事マスタ構築の課題人事マスタを構築するためのツールには、人事システム・BIツール・Excelなどいくつかの選択肢があります。人事マスタをExcelで構築している企業も多いのですが、Excelには色々な課題があります。権限管理が難しいExcelだとファイルやシート単位でアクセス権限を調整するため、組織構造や人事データの種類に応じてアクセス権限を調整することはできません。具体的には機密情報が含まれる列を1つずつマスキング設定してゆくことになりますが、これは取り扱うデータやファイルが増えるほど手間がかかりますし、設定ミスなどのヒューマンエラーも発生しやすくなります。データの前処理が大変Excelで分析を行う場合、各人事システムからデータをダウンロードするExcelで各データを突合するExcel上で集計やグラフ化を行うという工程を踏むことが多くなります。この1・2の作業を「前処理」などと呼びますが、データの種類や件数が増えるほど前処理の手間も大きくなります(一般的に、データ分析では8割の時間が前処理に費やされるとも言われています)。Excelでの集計が大変3の集計・グラフ化についても、色々と切り口を変えてデータを見る度に作業をやり直す必要があります。例えば、全社の残業時間データを見たい→次に部署別のデータを見たい→次に年代別のデータを見たい離職率と勤続年数の相関を見たい→次に残業時間とエンゲージメントスコアの相関を見たいのように色々な分析を行うと、集計やグラフ化だけでも大きな時間がかかります。人事マスタツールの比較上記を踏まえて、人事マスタを構築する際にはツールを導入することがおすすめです。ここでは人事マスタとして活用できるツールをいくつかご紹介します。人事特化型のBIツールデータの統合・集計などに特化したツールです。BIツールには「汎用型」「人事特化型」がありますが、人事マスタを構築するためには人事特化型のBIツールをおすすめします。※汎用型・人事特化型について詳しく知りたい方は、人事データ分析におすすめのBIツールをご覧ください。ここではクラウドワークスで開発している人事特化型BIツールのHuman & Humanをご紹介させていただきます。メリット人事でよく使うデータや図表を自動集計できる人事用のデータベースやレポートが標準で用意されているので導入しやすい学習コストが低いので人事のみでも運用できる他の多くの人事システムとAPI連携しており、データ集計などを自動で行えるデメリット機能が分析に特化しており、人事業務(人事考課、スキル管理、サーベイなど)は行えない人事情報システム(HRIS)様々な人事業務(人事労務・経理財務・採用管理・タレントマネジメントなど)をワンストップで行えるツールです。人事データを集約しやすく、HRISで完結してデータを分析しやすいのが特徴です。有名なツールはWorkday、Oracleなどです。メリット分析だけでなく様々な人事業務(人事労務、スキル管理、採用管理など)も行えるデメリット高額なものが多い(月額数百万円など)機能が豊富で学習コストが高い人事以外がデータを閲覧できるようにするのが難しいタレントマネジメントシステムタレントマネジメントに特化したツールです。システム内に社員情報やスキル情報が集約されている他、サーベイ機能なども搭載されているので、それらのデータを使って分析ができます。タレントマネジメントシステム上で管理されていないデータ(勤怠情報など)は、APIで他システムと連携することになります。有名なツールはカオナビ、HRBrainなどです。出典:カオナビメリット分析だけでなくタレントマネジメント業務(人事効果、スキル管理、サーベイなど)も行えるデメリットデータの集計・分析機能が弱い比較ポイントどの人事業務をどのシステムで行うか、人事マスタにどの役割を担わせるかによっておすすめのツールが変わります。人事業務の運用方法人事マスタの運用方法おすすめツール人事マスタ以外で運用しているデータ分析だけを行いたいBIツール人事マスタ上で全て完結させたい人事マスタ上で全て完結させたいHRIS人事マスタ以外で運用しているタレントマネジメントやデータ分析を行いたいタレントマネジメントシステムBIツールについては以下で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。人事データ分析におすすめのBIツールHuman & Humanについて詳しく知りたい方は、機能や導入事例をご覧いただくか、以下より資料請求お願いいたします。製品を実際に触りたい方はトライアルにお申し込みください。