本記事では人事労務システムを導入している企業向けに、人事データの分析方法について解説いたします。人事労務の概要人事労務とは「人事管理」「労務管理」を合わせた業務の総称です。いずれも企業で働くヒトに関する業務であり非常に近しい領域であるため、総称して人事労務と呼ばれることが多いです。人事管理は主に組織の成長や人材活用を、労務管理は労働環境の整備や雇用管理を目的とした業務を指します。人事管理労務管理目的組織の成長、人材の活用労働環境の整備、雇用の管理業務例社員情報の管理勤怠管理目標管理給与計算サーベイ入退社管理人事評価年末調整人事労務システムの概要人事労務システムとは名前の通り人事と労務を行うためのシステムです。基本的には人事と労務両方に対応したシステムが多いのですが、その中でも人事労務の一通りの機能が揃ったシステム必要な機能だけ利用できるシステムなど機能に違いがあります。一方、人事や労務に特化したシステムは「人事管理システム」「労務管理システム」などと呼ばれます。人事労務システムでの人事データ分析昨今では人的資本経営、ピープルアナリティクスなどの浸透に伴い、人事データを活用・分析する取り組みが活発化していますが、そのためにはデータの分析基盤(人事マスタとも呼びます)が必要です。※人事マスタについては人事マスタの解説記事をご覧ください。人事労務システムを導入している企業が人事マスタを構築するとき、2つの選択肢があります。①人事労務システムを人事マスタとして運用するこの方法のメリットは、人事労務システムには様々な人事データ(社員情報、労働情報、給与情報、人事評価など)が管理されているため、データ連携などがしやすいことです。また、既に使い慣れているシステムを使うため、新規システムの導入コストが低いこともメリットでしょう。一方、デメリットもあります。例えば、人事労務システムには給与情報やマイナンバーなどの機密情報も管理されているため、人事以外の社員に権限を渡すのはプライバシー保護などの観点で問題jになります。よって、事業部の社員が人事マスタを触ってデータを分析するのが困難になります。また、分析機能に制約が多い、分析しづらいデータ構造になっているといったデメリットもあります。例えば、某社のシステムだと以下のような課題があります。現時点での社員や組織のデータを集計できるが、特定時点(2025年1月時点など)に遡ったり、特定時点(3年前など)から現時点までの時系列でデータの変化を集計できないサーベイを実施して社員の属性(部署や役職など)ごとにエンゲージメントの傾向を見ることはできるが、他の指標(離職率など)との相関分析、クラスター分析、回帰分析などの高度な分析はできない人事労務システム内で集計できない場合はデータをダウンロードしてExcelなどで行うことになりますが、Excelでデータを加工・集計したりグラフや図を作るのにも時間がかかるため、Excelでの分析も簡単とは言えません。②別のシステムを人事マスタとして導入する人事労務システムは運用しながらも、人事データの分析には別のシステムを導入する方法です。この方法のメリットは人事労務システムよりも分析がしやすい点です。また、マイナンバーなどの機密情報については人事マスタに入れない、事業部の社員は機密情報を閲覧できないようにアクセス権限を調整すれば、事業部の社員に権限を渡してデータを分析するのも容易です。一方、別システムを導入するため学習コストや導入コストが高いこと、データ連携が大変な点はデメリットです。人事労務システムを人事マスタとする別のシステムを人事マスタとするメリット学習コストやシステム導入コストが低い分析がしやすいデータ連携がしやすい人事以外の社員にも権限を渡しやすいデメリット分析に制約がある学習コストやシステム導入コストが高い機密情報が見えてしまうので人事以外の社員に権限を渡しづらいデータ連携が大変別システムとしてはタレントマネジメントシステム、BIツールなどが代表例です。※それぞれのツールについてはタレントマネジメントシステムの解説記事、BIツールの解説記事をご覧ください。BIツールを使う場合、クラウドワークスで開発しているHuman & Humanがおすすめです。Human & Humanの特徴は以下の通りです。設計コスト人事でよく使う色々なデータベースや計算式がデフォルトで用意されている。データの集計コスト他の多くの人事システムとAPI連携している他、データクレンジングのサポートも用意。権限管理部署・職種・役職に合わせて各データの閲覧・編集権限を管理できる。学習コスト1クリックでデータのかけあわせができるので、データ分析に詳しくない人事でも簡単に操作可能相関分析散布図やヒートマップを使って簡単に分析できる。(例)データを時系列で分析できる他、指標をかけあわせた分析も1クリックで可能(例)ヒートマップで相関の強い指標を一目で把握できるHuman & Humanについて詳しく知りたい方は、機能や導入事例をご覧いただくか、以下よりお問い合わせお願いいたします。