本記事では1on1の効率化を検討している企業向けに、1on1ツールの概要やよくある課題を解説いたします。1on1とは1on1の概要1on1(1on1ミーティング)とは、上司と部下が定期的に1対1で行う面談です。週1回または隔週など、継続的・定期的に短時間(15〜30分程度)実施されます。1on1では以下のようなテーマが話されます。業務上の困りごとや課題の共有キャリアや成長に関する話し合い評価・目標のフィードバック無理に話さない「雑談タイム」やアイスブレイク1on1が注目される背景1on1は以下のような理由で注目を集めています。心理的安全性や上司との関係が社員の定着・離職防止に大きく影響するエンゲージメントが業績・生産性に直結することから、従業員の声を日常的に拾う仕組みが求められている従来の管理型マネジメントから対話型・支援型マネジメントへの転換が進んでいる※エンゲージメントや心理的安全性については、エンゲージメントサーベイの解説記事や心理的安全性の解説記事をご覧ください。1on1ツールとは1on1ツールの概要1on1ツールとは、1on1を効率化・円滑化するためのツールです。1on1ツールの機能とメリット機能概要メリット1on1ミーティングのスケジュール管理ミーティングの抜け漏れを防ぎ、定期的な対話を促進する議題(アジェンダ)の共有・記録話すべき内容を事前に共有でき、議論がスムーズになるミーティングメモの記録・共有過去の対話履歴が蓄積され、継続的なフォローアップが可能目標設定・OKRとの連携目標に基づく対話ができ、成長や業績に繋がる面談を実現フィードバックの記録・送信機能上司・部下間の相互フィードバックが促進され、信頼関係の構築に貢献タスク管理やToDoリスト機能面談後のアクションを明確化し、実行を支援エンゲージメントサーベイとの連携面談データとサーベイ結果を合わせて活用でき、組織課題の特定がしやすくなるレポート・分析機能(実施率や傾向の可視化)面談の質や頻度を可視化でき、マネジメントの改善につながる1on1ツールの種類一体型1on1に加え、人事労務やタレントマネジメントなどの機能も備えたツールです。メリットは、1on1以外の業務も1つで完結できる点や、人事データの一元管理がしやすい点です。一方、特化型に比べて高価になりやすく、1on1専用ではないため機能に制約があることもあります。特化型1on1に特化して開発されたツールです。メリットは、一体型より安価で機能が豊富な点です。ただし、1on1以外の業務は別システムが必要になり、人事データも分散するため、統合的な分析が難しいというデメリットがあります。一体型、特化型の特徴をまとめると以下の通りです。特徴一体型特化型価格高い安い1on1の機能弱い強い1on1以外の業務対応可対応不可人事データの一元管理易しい難しい1on1ツールの料金体系具体的な金額は会社によって異なるので、ここでは一般的な1on1ツールの料金体系を説明いたします。初期費用システムの導入時のみ発生する費用です。主にアカウントの開設、カスタマーサクセスなどのコストを回収するためのものですが、金額としては小さいため、初期費用を無料にしている会社もあります。ランニングコスト支払いサイクルは月次、半年、年次など会社によって異なりますが、月次が一般的です。初期費用に比べて解約まで継続的に発生するので、企業が金額を比較する際はランニングコストを重視する必要があります。ランニングコストは主に従量課金制ですが、ユーザー数に応じて料金が増えることが多いです(1名あたり100円など)。1on1ツールは全社での導入が多いので、従業員数が増えるほどランニングコストも高くなります。コストを抑えるためには単価が安いことがベストですが、単価が安いほど機能も少なくなりやすいことに要注意です。1on1ツールを導入するには1on1ツール比較のポイント実現したい内容1on1のスケジューリングや議事録を共有するだけならそれほど難しくないのですが、「エンゲージメントサーベイと紐付ける」「OKRに紐付ける」など1on1に紐付く業務まで含めると、1on1ツールで実現できることは多岐に渡ります。具体的に何を実現したいかを整理しましょう。権限管理1on1では、人事評価など上司と部下だけで共有すべきセンシティブな内容が話されることもあり、個人情報保護の観点から慎重な取り扱いが求められます。これらのデータを1on1ツールで管理する場合は、所属や利用目的に応じてアクセス権限を調整する必要があります。(例)会話の内容を人事部・管理職・経営陣のみ閲覧可能にするこのような権限管理機能が搭載されているかを確認しましょう。※人事データの保護についてはプライバシー保護の解説記事をご覧ください。コスト前述の通り、多くの1on1ツールは従量課金制ですが、単価はサービスによって大きく異なります。安価に越したことはありませんが、機能不足で要件を満たせないのは本末転倒です。システムを利用するユーザー数や機能を想定してコストをシミュレーションし、要件と比べて金額が見合うかを検討しましょう。操作性機能が豊富でも、UIが分かりにくい、動作が重いといった問題で使いづらいことがあります。多くのツールではトライアルを提供しているため、事前に操作性を確認しておきましょう。カスタマーサポート導入後に問い合わせができるだけでなく、他のサポートを用意している場合もあります。どのようなサポート体制があるか確認しておきましょう。(例)カスタマーサクセス担当者が付き、運用が立ち上がるまで伴走してくれるFAQやユーザーコミュニティが用意されており、疑問点を解消しやすい1on1ツールの導入ステップ要件を整理する実現したいこと、コスト、他システムとの連携など求める要件を整理します。1on1ツールを比較する要件を元にシステムをいくつか選定&トライアルし、どれにするかを検討します。1on1ツールを構築する導入するシステムが決定したら、ツールの契約手続きや設定作業他システムとのAPI連携などの開発を開始します。ツール周りの作業は運営会社が支援してくれますが、人事システムとの連携などは自社で対応することが多く、情報システム部やIT部門と連携して開発を進めます。構築が完了したら受け入れテストを行い、1on1が問題無く行えるかを確認します。リリーステストが完了したら1on1ツールをリリースし、本番運用を開始します。1on1ツールによくある課題上司が部下の残業時間・人事評価・エンゲージメントなどの情報をあらかじめ把握しておくほうが有意義な1on1になりやすいですが、これらのデータは複数のシステムに分散していることがほとんどです(残業時間は勤怠管理システム、人事評価はタレントマネジメントシステム、エンゲージメントはサーベイツールなど)。そのため、各人事システムからデータをダウンロードするExcelで各データを突合するExcel上で集計やグラフ化を行うという工程を踏むことが多くなります。この1・2の作業を「前処理」などと呼びますが、データの種類や件数が増えるほど前処理の手間も大きくなります(一般的に、データ分析では8割の時間が前処理に費やされるとも言われています)。人事特化のBIツールの紹介こうした事情から、社員のデータを可視化・分析する場合はBIツールを活用するシーンが増えています。Excelでの課題BIツールのメリット分析内容に応じてグラフやレポートを作り変えるのが大変(例)散布図、ヒートマップ、ヒストグラム、箱ひげ図分析でよく使うグラフを簡単に作成できるクラスター分析など高度な分析になるほどExcelで行うのが大変(例)時系列分析、相関分析、クラスター分析、回帰分析色々な分析機能が用意されている関数やマクロを作り込むほど属人化が進むレポートやダッシュボードがあれば誰でも分析ができる勤怠管理システムの課題BIツールのメリットデータの前処理が大変API連携などによりデータの前処理が簡単高度な分析に対応できない(例)相関分析、クラスター分析、回帰分析色々な分析機能が用意されている※BIツールについて詳しく知りたい方は、人事データ分析におすすめのBIツールをご覧ください。BIツールを使う場合、クラウドワークスで開発しているHuman & Humanがおすすめです。Human & Humanの特徴は以下の通りです。設計コスト人事でよく使う色々なデータベースや計算式がデフォルトで用意されている。データの集計コスト他の多くの人事システムとAPI連携している他、データクレンジングのサポートも用意。権限管理部署・職種・役職に合わせて各データの閲覧・編集権限を管理できる。学習コスト1クリックでデータのかけあわせができるので、データ分析に詳しくない人事でも簡単に操作可能相関分析散布図やヒートマップを使って簡単に分析できる。(例)データを時系列で分析できる他、指標をかけあわせた分析も1クリックで可能(例)ヒートマップで相関の強い指標を一目で把握できるHuman & Humanについて詳しく知りたい方は、機能や導入事例をご覧いただくか、以下よりお問い合わせお願いいたします。